上級者おすすめ洋書

ホラー作家スティーブン・キングの作品は、描写に比喩的な要素、心理的な要素があり、凝った印象を受けます。そういう意味で上級者むきといえるでしょう。コロラド山中のリゾートホテル「景観荘」は冬には積雪により完全に下界から閉ざされてしまいます。そのホテルの管理人として住み込んだ、作家と妻、そして5歳の少年。 退屈な一冬を過ごすはずだった家族に、戦慄するような恐怖の出来事が起こります。ふつうの人間が狂気へと変貌していくようすを本当に恐ろしく見事に描いている傑作です。

ダン・ブラウンの大傑作『ダビンチ・コード』です。映画ではトム・ハンクスが演じた主人公のロバート・ラングドンは象徴学者。歴史的な遺産に残された謎を次々と解きあかしていきます。ルーブル美術館である秘密結社の総長が殺されるところから話は始まります。その孫娘で暗号解読者であるソフィー・ヌヴーと、ラングドンが協力して、レオナルド・ダ・ビンチの数々の作品に隠されたメッセージを次々と解明していきます。『最後の晩餐』のキリストの横にいる女性は誰か?『モナリザ』の微笑みの意味は?キリストの血を受けたという伝説の聖杯のありかは?主人公といっしょに謎を解きあかしていく楽しさは最高です。

アメリカ文学史上,最も有名な作家といってもよいアーネスト・ヘミングウェイの「老人と海」の原書です。キューバ人の老漁師と大魚との格闘が,どちらかというと淡々とした雰囲気で描かれています。淡々と描かれているだけに,逆にアクション映画のような大げさなシーンよりも,よりリアルに緊迫感がせまってきます。長い作品ではないですが,読みやすいというわけでもありません。特に漁業関係の単語がちょっと難しく,やや読むのに根気が必要かもしれません。でも不思議と何度も読んでみたい,と思えるのがこういった文学史上に残る名作の魅力なのかもしれません。

『ダ・ビンチ・コード』で有名なダン・ブラウンの傑作です。大統領候補セクストン上院議員の娘レイチェルは、対立候補でもある現大統領の要請で北極圏へむかう。そこではNASAによる地球圏外からの生命体の存在を示す大発見が進行していた。NASAの宇宙計画の推進派の現大統領と、NASAの解体を主張する父親のセクストンとのはざまで、翻弄されながらも、レイチェルはしだいに真実へと近づいていく。出だしから、ものすごいスピーディな展開で、次々と局面がかわっていきまったく飽きさせません。

村上春樹さんの『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』の英訳本です。主人公の「僕」が、高い壁に囲まれて外界から完全に閉ざされた街で、一角獣たちの頭骨から夢を読みながら暮らしていく「世界の終わり」。 主人公の「私」が、老科学者により意識の核に思考回路を組み込まれてしまい、その秘密を追求していく「ハードボイルド・ワンダーランド」。 この2つの物語がパラレルに進行する点は『IQ84』とよく似ていますね。複雑な構成とボリュームの多さから上級としていますが、英語自体は、さほどに難しさを感じさせません。

ピューリツァー賞を受賞した『停電の夜に』の著者ジュンパ・ラヒリによる初の長編小説『The Namesake』です。 主人公は、インドからアメリカに移住した両親をもつ少年ゴーゴリ。彼はインド人であることや、風変わりな名前を恥じて、大学院に進学すると自分の名を捨て、ニキルと改名します。 今、世界中で活躍され注目されているインド人のアイデンティティを扱った、非常に現代的なテーマの作品といえます。二つのアイデンティティのはざまで悩む主人公の姿を、繊細に描き出した見事な作品です。

名優グレゴリー・ペックが主演した映画『アラバマ物語』の原作です。ピューリッツァー賞を授賞した名作で、凝った表現や南部特有の表現などが見られるため平易な英文とはいえませんが、読みごたえは十分な名作でしょう。映画ではグレゴリー・ペックが演じていた弁護士アティカス・フィンチ。そしてその2人の子どもスカウとトジェムの目を通して、父親アティカスが、レイプ事件の疑いを欠けられた黒人の弁護をする様子を描いていきます。まだまだ人種差別が残っていた1930年代のアメリカ南部の雰囲気、そしてその中で自らの正義を通そうとするアティカスの姿が、感動的に描かれています。

「イギリス版:刑事コロンボ」ともよばれる「フロスト警部」シリーズです。よれよれのレインコートがトレード・マークで、ジョークを連発するフロスト警部。見た目はさえない中年男ですが、ベテランのカンを便りに、時には嘘八百でごまかしながら真相にたどりついていく姿か、リアルでなんとも言えない魅力のあるキャラクターです。



ペーパーバック多読法 (おすすめ洋書)